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私のキャリアプラン

山本 良子

山本 良子

山本 良子
一般財団法人 日本予防医学協会 九州事業本部 副本部長

略歴

 歯科衛生士学校卒後、歯科医院にて一般診療に従事し、次に大学や開業医の先生方で構成された福岡予防歯科研究会(現NPO法人ウェルビーイング)に5年間勤務しました。予防歯科に特化した診療室「福岡子供の歯を守る会」にて家族単位の定期健診、幼稚園・保育園での巡回健診と指導業務、地域保健に携わりました。その後埼玉に移り、企業内歯科室に5年間勤務し初めて産業歯科保健に携わりました。さらに2年間海外を周遊した後、2000年より、日本予防医学協会九州事業本部にパートで入社し、各課の課長を経験し、現在副本部長として事業本部運営に携わっています。

現在のお仕事について教えて下さい(業務内容や日々のお仕事中の様子など)。

 2023年12月末まで、産業保健推進課長を兼務しており、特定保健指導をはじめとする各種保健事業を行う産業保健グループと、歯科健診や歯周病検査及び保健指導などを行う歯科保健グループの管理業務を行っています。企業や健保の保健事業を受託し、お客様が叶えたい事業を共に創れるよう注力しています。また公益事業として、健康経営を推進するために、様々な研修会や交流会を開催しています。
 その他全般として、管理職業務と事業本部全体の顧客対応、トラブル対応や職員の相談など、副本部長業務として行っています。

日本口腔衛生学会『口腔保健事業振興賞』を受賞しました

学生時代についての思い出(例:所属サークル)や当時考えていた将来の方向性について教えて下さい。

 九州大学での実習中に、予防歯科の先生方に影響され、治療ありきの考えを根底から変えることができました。

産業衛生の道を志した時期(年齢・年代)やきっかけについて教えて下さい。

 20代後半に歯科診療を主業務とした企業内歯科室に勤務し、予防歯科へシフトさせるべく改革を志して孤軍奮闘していたところ、産業歯科保健部会の前身である職域口腔保健研究会のセミナーに参加しました。産業歯科に携わる仲間が沢山いることや、同じ企業に勤務しながら面識がなかった歯科医師と知り合い、連携できたことが大きな励みになりました。それまで唯一頼りにしていた産業歯科保健、歯牙酸蝕症健診の参考としていた一冊の本の著者が、その研究会の代表であり、産業歯科保健部会を設立した初代部会長の藤田雄三先生でした。

新人時代の思い出について教えて下さい。

 企業に勤務し始めた30年前は、企業から歯科室が消えつつある時期でした。日替わりの歯科医師はアルバイト先としてしかみておらず、歯科室への信頼が失墜しているところへ入職しました。様々な働きかけにより、受診者は3倍に増え予防歯科だけの日もつくることができました。次第に労働組合や総務、他の部署の方々が応援してくれるようになりました。
 その他、研究所内設備の暗室をお借りしてレントゲンフィルムを現像したり、歯科のレントゲンで研究のお手伝いをすることはワクワクしました。当時、所内の情報提供はMac用とWindows用の2種類を作成する必要がありましたし、インターネット導入時には、社員一同が集まり講習を受け歓声が上がっていたのが思い出されます。

人生における転機やキャリアプランに関わる大きな出来事がありましたら教えて下さい。

  2年間世界を放浪する時期があり、この充電時期があったお陰で頑張れる原動力になっていると思います。産業医大・臨床疫学(当時)の井手玲子先生からの勧めで、放浪する前に日本予防医学協会と縁ができました。帰国して間もなく協会で働き始めるようになり、最初はパート勤務からでしたが、すぐに一つの大きな歯科事業を任されました。2度の出産と育児との両立を周りの仲間たちに支えられながら無我夢中で走っているうちに、産業保健推進課をはじめ、施設健診課、巡回健診課、営業課の全ての課の管理者になりました。附属診療所の施設リニューアルを担当したり、各種工場、ビルやダム建設現場などを見る機会もあり、様々な貴重な経験をすることができました。

ニームの木の歯ブラシ売り~ペシャワールにて

転機を越えた後の新たなキャリアにおける思い出を教えて下さい。

 労働衛生機関なので多くの企業や健保との関わりを持てることが財産です。そして歯科衛生士でありながら、専門職としてだけではなく総合職・管理職として様々な経験をしながら長く勤務できていることは今の職場にとても感謝しています。次世代の管理職を育てていくことも使命としており、2024年1月より、九州の産業保健推進課の課長を同じく歯科衛生士にバトンを渡すことができました。大阪でも歯科衛生士が産業保健推進課長と営業の部長を兼務することとなりました。実力を評価しキャリアを積める、協会の懐の深さを感じています。

本学会との関わりやメリットについて教えて下さい。

 産業歯科保健部会の設立メンバーで幹事をしています。九州では産業歯科保健に関わる人が少ないですが、九州地方会としても九州産業歯科保健部会の活発化に尽力しているところです。様々な事例などを通してヒントを得たり、協力しあえる仲間と出会えたりすることが最大のメリットと感じます。

これから産業衛生の道を志す方々に向けて、メッセージをお願いします。

 専門職としてだけではなく総合職としても活躍できるのが産業衛生の道だと思います。新しいことに興味を持ち、積極性をもって本気で働くことで、あらゆる可能性と視野を広めることにつながると思います。人生を楽しんでください。

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