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私のキャリアプラン

森分 勝人

森分勝人

森分 勝人
ENEOS株式会社
環境安全部産業衛生グループ チームリーダー

略歴

 大学卒業後、太平洋セメント株式会社系列のコンサルティング会社に入社。生産プロセス開発部門で工学的なばく露対策等についての経験を積んだ後、作業環境測定部門で作業環境測定士としてグループ会社をはじめとした数百事業場の作業環境測定および作業環境改善に携わる。
 2019年3月にJXTGエネルギー株式会社(現ENEOS株式会社)に転職後、製油所のインダストリアルハイジニストとして、ハザードのリスク評価とばく露リスク対策をはじめとした産業衛生全般の業務に従事。2022年4月より現職。

資格

  • 日測協認定オキュペイショナルハイジニスト
  • 労働衛生コンサルタント(労働衛生工学)
  • 第1種作業環境測定士

現在のお仕事について教えて下さい(業務内容や日々のお仕事中の様子など)。

 製油所勤務時代は、個人ばく露測定などの手法を用いたリスクアセスメント、リスクに応じたリスク対策の立案、新規化学物質採用時のリスク評価、特殊健康診断で有所見となった作業者のばく露実態調査、産業衛生に関する社員教育など、製油所における産業衛生関連の業務がメインでした。
 現在は、各製油所や事業所の産業衛生に関する技術的なサポートをはじめ、インダストリアルハイジニストの育成、産業衛生関連の法改正内容の社内展開、産業衛生業務のDX推進などに携わっております。

学生時代についての思い出(例:所属サークル)や当時考えていた将来の方向性について教えて下さい。

 学生時代はキックボクシングに熱中しており、毎日のようにトレーニングを行っていました。大会に出場したときのゴングが鳴る直前の膝が震えるような緊張感を今でも鮮明に思い出します。キックボクシングを通じて、大切な時に覚悟を決めることと、日々継続して努力を積み重ねることを学べたと思います(現在は運動不足で当時の見る影もないですが・・・)。
 学生時代に考えていた将来の方向性についてですが、水の浄化やリサイクルマテリアルなどの環境工学を専攻しておりましたので、漠然とそういった分野のエンジニアになるものだと思っておりました。当時は自分が産業衛生の分野で働くことになるとは全く想像していなかったです。

産業衛生の道を志した時期(年齢・年代)やきっかけについて教えて下さい。

 前職の生産プロセス開発部門で、パイロットプラントのばく露対策に携わったことが産業衛生の道を志した最初のきっかけです。パイロットプラントで生産作業に従事している作業者の方の労働環境を良くしたいという思いで、密閉化や排気装置などの工学的なばく露対策について試行錯誤して取り組みました。その努力の甲斐もあり、作業者の方から「おかげさまですごく働きやすくなったよ、ありがとう。」と言っていただけた経験が、産業衛生に興味を持ち始めて現在のキャリアに進むきっかけになったと思います。

新人時代の思い出について教えて下さい。

 新人時代、真夏の炎天下で全面マスクとタイベック(保護衣)を着用して大汗をかきながら作業したことや、真冬の吹雪の中で水を扱う作業を凍えながら行ったことは、今ではとても良い経験だと思っています。そういった経験を通じて現場で働く人の気持ちをリアルに感じることができるようになり、より働く人の立場に立ったばく露対策を提案できるようになったと思います。

人生における転機やキャリアプランに関わる大きな出来事がありましたら教えて下さい。

 前職で研究部門に配属となったことが大きな転機でした。大変申し訳ないことに研究部門の業務には興味が湧かず、本来の業務の片手間に研究所内の排気装置設計や有害プロセスの自動化などの作業環境改善に意欲的に取り組んでいました。改善事例の中で特に印象に残っているのは有機溶剤を使用する作業を自動化してばく露をゼロにしたことです。作業者から「この作業をするのが嫌だったので、本当に助かりました。」と言っていただけたことを今でも鮮明に覚えています。そんな経験を重ねていく中で産業衛生のキャリアを本格的に歩みたいと志し、ご縁があって現職のインダストリアルハイジニスト職に転職することができました。

森分2
転職が産業衛生専門家としての転機に

転機を越えた後の新たなキャリアにおける思い出を教えて下さい。

 ENEOS株式会社に転職したことで、産業衛生の専門家として大きく成長できたと思います。転職当時はわからないことも多くストレスもありましたが、当社では「リスクがあれば法令で求められていなくても適切な対策を行う」というこれから日本が向かおうとしている自律管理が確立されており、この仕組みの中で専門家として従事することで日々刺激と成長を与えていただきました。また、社内の経験豊富で日本の産業衛生を発展させたいという大きな熱意をもった専門家の方と一緒に働くことができた幸運もありました。その方から学ばせていただいた多くのことは今も私の大切な行動指針になっています。

本学会との関わりやメリットについて教えて下さい。

 学会活動では、産業衛生技術部会に参加しています。グッドプラクティスなどを専門家の先生方からご紹介いただける機会は大変貴重なため、非常に重要な情報源として重宝させていただいております。学会に参加すれば直接詳しい内容をお聞きする機会も得られますので、新しい知見を得て実践に活かせることも大きなメリットだと思います。また、他機関・他企業の専門家の先生方とのつながりができることも大変有益だと感じております。

これから産業衛生の道を志す方々に向けて、メッセージをお願いします。

 今般の法改正に伴い、今後は様々な業界で産業衛生の専門家が必要になってくると思います。多様なバックグラウンドをお持ちの方に産業衛生の専門家になっていだくことで、広い視点から適切に働く人の健康を守ることができると思います。また、様々なバックグラウンドをもった専門家が増えることで、日本の産業衛生活動がよりレベルアップすると思います。私のようにもともと産業衛生を専門に学んでいない方でも活躍することができると思いますので、ぜひ色々なバックグラウンドをもった方にチャレンジしていただきたいと願っています。

 

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